丘の上
拭いきれなかった涙が
音もたてず乾いていく
まばゆいあの丘の空めがけて
何も告げず歩いてゆく、遠くまで
はみ出した口紅が色褪せるように
あいまいな輪郭を思い出せなくなる前に
からっぽなおつむにはすこし影ある光
今ならわかる気がするのさ
分かる気がするのさ
すくいきれなかったしずくが
音をたてて乾いていく
まばゆいあの丘の上めがけて めがけて
何も告げず歩いてゆくよ、遠くまで
望む風、ひび割れながら
デタラメなでまかせに身をまかすように
歩き慣れたこの道を引き返せなくなる前に
からっぽなこころにはすこし影ある瞳
今ならわかる気がするのさ
分かる気がするのさ
日々、我ながら