さみしさに救われたい

最近あたたかくなってきてからはずっとクリープハイプを聴いている。でもいつもと同じYouTubeのミックスリストを流しているので、同じ曲ばかり。心做しか歌詞を口ずさめるほどになっていた。話は変わって、昨日はバンドでライブをしに高知まで車を走らせた。正確にいうと、走らせてもらった。強風の影響で鳴門大橋が通行止めになっていたので仕方なく淡路島にまた戻って、岡山を経由して行くことになったのだけど、バンドメンバーのボーカルのよっちゃんはそれが初めての岡山上陸となった。そしてなんとか無事高知につき、今回ライブに誘ってくれた主催のかずきさんとひろめ市場に行って、1杯飲んでからこの前高知に行った時にも行ったつけ麺屋さんに行った。これが旅の醍醐味だよな〜と思うと、不思議と箸が進んだ。(多分普通にお腹がすいていた。)久しぶりに会ったかずきさんは髪がチリチリになっていて、寝不足だったこととお酒を頼んだお店が本場のカレー屋さんだった(そこがひろめ市場で1番安くお酒を飲めるところらしい)こともありお酒はまずく、つけ麺は相変わらずおいしかった。そして、そうこうしているうちに会場がオープンし、ライブは始まった。そのライブハウスはミッシェルやエレカシがライブしたことのある会場らしく、ステージが少し高い。照明はLEDではなく白熱灯を使っているので、物凄く熱かった。ライブでは夏場の野外ライブのように汗をかいた。そしてやっぱり音楽は楽しい。あの時だけは本当に何もかもがどうでもよくなる。音と光も熱だけが私たちを取り巻いていた。そして今回ライブに呼んでくれたかずきさんのバンドのライブが始まり、そして終わった。解散ライブだった。あまりにもあっけなかった。最後はいつだってこんな感じなのかと思うと無性にさみしく、悲しくなった。かずきさんはバンドを解散後、ひとりで東京に行き、あっちにもうすでに見つけているメンバーとシェアハウスをするらしい。話している時はすごく楽しそうで明るい人なのに、作る歌はものすごく暗い。私はそういう人が好きだ。嘘がなくて、私には眩しいくらい綺麗だった。そうこうしてライブが終わり、打ち上げが始まった。やっぱり私は打ち上げが苦手だ。沢山の初対面の人がお酒を片手に、その場その場で色々な話題が飛び交っている。私はその会話を追いかけるのがやっとで、どうしたって理解するには追いつけない。私はもっと大切に、一人一人の目を見て話したいのに。頭も体も疲れて、とりあえず外に出た。いつものルーティンだ。昼にザアザア降っていた雨は上がって、空は真っ暗になっていた。ライブは音楽が居場所で楽しいけど、やっぱり打ち上げは居場所がなくて楽しくない。やっぱり今日もダメだったな〜と思いながら歩いていると運転するためにお酒を飲んでいなかったベースのプーさんに出くわし、一緒にお風呂屋さんへ向かうことになった。閉店間際になんとか駆け込んで、滑り込みセーフ。そうして1時頃、会場に戻るとまだ打ち上げは続いていた。体調が悪かったにも関わらずギターヒーローのしきのさんはへべれけになっているし、ギターのよっちゃんに至ってはもうベロベロだ。何度も出演者の人と抱き合ったりしていて、私は昼間とは一変、デコ丸出しメガネで恥ずかしかったけど最後の挨拶をしに車を出た。みんながみんな酔っ払っていて、すごく楽しそうで、今日がいい日だったってことにそこで初めて気が付いた。またねーと抱き合い、固い握手をして、そして帰りの道中、ベロベロのしきのさんが突然「みんなロックは出来ているけど、ロールが全然出来てないんよ」と言いだし、なんだか私はその言葉に、物凄く感動してしまった。今思えば誰かの二番煎じのようなくさい言葉だけど、酔っ払っているしきのさんから出たその言葉にとにかく感動した。そして、私はもうしばらくバンドでドラムを叩くことになりそうです。やっぱり打ち上げは苦手だし、沢山フレーズを知っている訳でもなければうまくもないけど、でもやっぱりライブは楽しい。私はまだまだしぶとく、さみしさに救われるため、音楽を続けそうです。

音楽をやめた日

今日の事件を経て、私ははじめて他人のために音楽をしているわけじゃないことに気が付いた。それじゃあすごく冷たく聞こえるかもしれないけど、私はその事実がなぜかとても嬉しくて、みんなはどうして音楽をしているのか、どうして音楽を辞めたのか、どうして歌っているのか、知りたくなった。とても野暮な話しだと思う。

丘の上

拭いきれなかった涙が

音もたてず乾いていく

まばゆいあの丘の空めがけて

何も告げず歩いてゆく、遠くまで


はみ出した口紅が色褪せるように

あいまいな輪郭を思い出せなくなる前に


からっぽなおつむにはすこし影ある光

今ならわかる気がするのさ

分かる気がするのさ


すくいきれなかったしずくが

音をたてて乾いていく

まばゆいあの丘の上めがけて めがけて

何も告げず歩いてゆくよ、遠くまで

望む風、ひび割れながら

 

デタラメなでまかせに身をまかすように

歩き慣れたこの道を引き返せなくなる前に


からっぽなこころにはすこし影ある瞳

今ならわかる気がするのさ

分かる気がするのさ

日々、我ながら

ぼくらが旅に出る理由

何をしていてもこんなことをしている場合じゃない気がしてきて、大体学校を休む前の日には夜のうちから絶対に明日は休むぞ…と意気込んでから寝るのだけど、今日は本当にただただ起きられなかった。いつもおなじ話をしていた友達もついに就職活動を始めて、なのに私は冷えきった部屋で今も、呑気にギターを抱えこんでいる。話は変わるけれど、好きなことを仕事にするのは怖くて仕方ないことだと、未だに本気で考えてしまう。言い訳にしか聞こえないかもしれないけど、これが本当の気持ち。うちで働いてもいいよと言ってくれたライブハウスの店長とはあれから結局何も話せていないし、自分が何を望んでいるのか、言葉という形にしようと試みている今も全くわからない。どの選択をしても後悔してしまう気がしてならなくて、大人にも子供にも成り切れない今、私は一体何者なのか、そんなことさえ分からなくなった。もっとあの眼鏡の男の子の話とか、ウミネコって実は海辺に住みついてる猫のことじゃなくて「ミャーオミャーオ」と鳴く白い鳥のことなんだよ、とか、そんな話を永遠としたいだけなのに、考えているからこそ、何も言えないだけなのに。